飛鳥旅行の続きです。

前の真っ赤な壁紙から、なぜこの爽やかな壁紙に変わっているかといいますと、
実は飛鳥寺に行くはずが道に迷ってしまったのです。
言い忘れましたけど、私たち一行は極度の方向音痴なのでございます。

先ほどのレストランでいただいた地図をたよりに細い道を車で進み、
私のカンではここだ!という、坂道の脇のところに車をとめたのです。
なんといってもこの猛暑、車なんかどこでも止め放題です。
(あくまで今だからですよ! 通常のときは絶対まねしないで下さいねっ!)

で、坂道をエンヤコラと、猛暑の炎にあぶられながら登っても、
な、な、ない〜〜! 飛鳥寺などどこにもありません。

まあもう少し…と登っていくと、
目の前に、おそろしく美しい、大きな近代的な建物が!
しつこいようですが、折りしもの猛暑、
飛鳥大仏にあこがれていた清らかな気持ちはどこへやら、
私たち一行は、目の前の美しい建物「奈良県立万葉文化館」に吸い込まれていったのでありました。

もう、もう、中は別天地。
ちょうどよいぐらいに空調は効いているし、受付には美しいお姉さまたちが。

前置きが異常に長くなってしまいましたけど、
今度は、今回の旅で多分一番長い時間を過ごしたであろう、
このめっちゃ気持ちのいい万葉文化館をご紹介しようと思って、
この爽やかな壁紙にした次第でございます。


万葉文化館


明日香には何度か行っていますが、ここへは初めてでした。
といより、存在さえ知りませんでした(ごめんなさい) まだ新しいのかな?


まあ、それにしても館内に入ったとたん、気持ちのいいことったら!
生き返ったような気分でありました。

すると前から、館内のご説明をしてくださるオジサマが歩いてきて、施設の概要を話してくださいました。


==============以下オジサマの説明より===============

万葉文化館に入ると、受付の美しいお姉さまが座っておられるところまでは、
廊下というか、通路になっていて、左右はガラス張りになっております。
で、ガラス張りの窓から外を見ると、発掘現場でよく見かける穴んぽこ(失礼 遺構)が見えます。

この遺構は、
飛鳥池工房遺跡といって、貨幣を鋳造する施設の遺跡なのだそうです。

最近、富本銭という貨幣が見つかったというビッグニュースはご存知でしょうか?
あの
富本銭が発掘されたのが、何を隠そうココなのだそうです。

富本銭というのは、かの有名な
和同開珎より前に鋳造された貨幣なのだということ。
かつては、日本で最初に作られた貨幣は和同開珎!って習いましたのにね

この富本銭の鋳造は和同開珎より本の少し前、天武天皇の御世のことだそうです。
ここは天武天皇の飛鳥浄御原宮からも近いですし、
このあたりは、渡来人の技術者たちがたくさん居住していたところだそうです。

でも、今私たちの前にある遺構はレプリカだそうで、
本物は、この数メートル下に、これと全く同じ形で眠っているのだそうです。
やっぱり飛鳥ってロマンですぅ〜(^.^)

===================================================


とまあ、一応施設の概要等をお聞きして、
受付で入館料を支払い(ちなみに入館料は600円でありました)、めでたく入館の運びとなったのでございます。

万葉科学館は、受付のあるここ1階と、地階から構成されております。

まず最初に入った展示室は、日本画の展示室でした。
絵心の全くない私には、絵の良し悪しは分かりませんでしたが、
展示室はとにかく広くて
(真ん中でドッジボールが出来そう)
絵のサイズもすごく大きなものが多くて、みごとで雄大でした!

ボキャブラリーが貧困で申し訳ありません・・・
万葉集に詠まれた和歌をもとに、現在活躍中の大家・中堅・新進の画家が描く創作日本画のコーナーです。日本画壇を代表する山辰雄氏、奥田元宋氏、平山郁夫氏、松尾敏男氏、上村松篁氏、加山又造氏をはじめとする150余点の日本画が収集されております。

次に向かったのは展望ロビーです。
ご来館されたのですね、その時の天皇陛下のお写真が飾られておりました
このロビーの隣に、20人くらい(?)入れるシアターがあり、代表的な万葉歌の説明や、その実際に詠まれた風景などを映し出しておりました。シアタールームなので照明は落としてあり、イスはふかふかで気持ちいいし、ついコックリと眠くなってしまいました。別に、古代史や万葉集に興味のないTさんは、完全に熟睡モードです。
この展望ロビーは大和三山の耳成山、香久山をはじめ、飛鳥ののどかな田園風景が遠望できるということで、先ほどご説明していただいたオジサマのお勧めの場所でもありました。

「飛鳥の里の歌垣」を現したブロンズレリーフが壁面に設置されておりました。

ということで、熟睡しているTさんを残し、私たち3人は地階に向かいました
地階にはたくさんの楽しい展示があって、なかなか楽しめました。

まずは、特別展示室ですが、ここには、この万葉文化館の下に眠っている遺跡が展示されております。
当時の貨幣の鋳造風景なども説明されていました。
ただ一つ残念に思ったのは、和同開珎は本物が展示されていたにもかかわらず、
肝心の富本銭については、レプリカだったことです。
もちろんそっくり同じに作っているのだからレプリカでも同じというものの、やっぱり本物が見たかったな…
と思う、ぱいんなのでありました!

とまあ、お堅いお勉強はここまでにして、
面白かったのは「ファッション変身ゲーム」
プリクラの要領で、前の画面の決められた円の中にちょうど顔が入るようにポーズをとると、
顔だけが自分で、髪型も服装も、万葉人の姿になった合成写真が撮れるのです。
写真は、1階のミュージアムショップ(おみやげ物屋さん)で受け取ります。

2人撮りもできるので
(といっても、2人並んで写すわけではなく、
あくまで、先ほどのように1人ずつ、プリクラよろしくポーズをとって、
でも、ミュージアムショップで受け取る写真はちゃんと合成されて2人になっているのです。)
私とMちゃんは、母親と坊やの設定で2人撮りの写真を撮りました。

母親役の私は、高松塚古墳の壁画に描かれているような飛鳥美人スタイルを、
Mちゃんは、かつての1万円札に印刷されていた聖徳太子スタイルのチビを選びました。

プリントアウトは、絵葉書スタイルでも、ホントにプリクラのように小さな写真シールでも、
もうちょっと大き目の写真シールでも、好きなように印刷してくれます。
さて、ミュージアムショップで写真を受け取った私とMちゃんは大笑い!
ここでお見せできないのが残念ですぅ・・・^^;

私とMちゃんは、普段はそんなに身長は変わらないんですけど、
なんといっても母親と坊やという設定なので、
出来上がった写真は、なんと、Mちゃんの身長は、私の身長の半分くらいしかないんです。
(ぎゅっとミニサイズになった感じ。)
ホントにまぁ、面白いったら!

他にも、パソコンを使ったクイズ形式のゲームなどもありました。
「一六」は16ということで、16は掛け算の九九でいうと4×4(つまり、四四<しし>)
ということで、
動物のイノシシを指すのだそうです。

この要領で、
「八一」は分かりましたでしょうか?
同じように考えて、81は掛け算の九九でいうと、まさしく九九<くく>ということで、
「くく」という音を表すのだそうです。
かの有名な天武天皇と額田王の相聞歌の一節、
「紫の匂える妻をにくくあらば・・・」の「くく」の部分を、

「八一」で表したりするのだそうです。

万葉仮名は奥が深いですねぇ・・・
さて、万葉がなの問題です!

「一六」はなんと読むでしょう?
「八一」は?

次は、Tさんお勧めのコーナーです。
さやけしルーム

自然の変化に鋭敏な万葉びとが見聞きしたであろう星空や自然音を光と音響で体験できる空間です。

万葉びとが感じた四季のうつろいを、音楽や効果音で構成し、草枕のように天を仰ぎ見る光のポエム空間です


Tさんは、ここと、先ほどのシアタールームで、ここ万葉文化館にいる時間の大半を過ごしたそうでございます。

まあ、確かに気持ちのよい空間ではございました!(^○^)

で、最後はミュージアムショップでお買い物をしました。
(ここでも、かなり長い時間粘っておりました。)
なんてったって、お買い物は女の子の最大の楽しみですから♪

ここでは、日本画家の先生が万葉集の歌の風景や人物などを日本画で描いた絵葉書などが売られておりました。
とても美しかったです。
私も、Aちゃん、Mちゃんも、ご贔屓のお歌の絵はがきを数枚購入いたしました!

でも、なんといっても一番のお勧めは「万葉カルタ」です。
百人一首の万葉集版と言ったらお分かりになりますでしょうか…
(なんと分かりにくい説明や!)
遊び方は同じですが、お歌が万葉集のお歌になっているのです。
1枚、1枚に、美しい日本画が描かれていて、
数枚ずつ、日替わり月替わりで飾れば、十二分にお部屋のオブジェとしても楽しめます。

ぱいんお勧めのお土産で〜す。(^.^)

とまあこのように、長い長い時間を万葉文化館で過ごし、
日が少し傾く頃、私たち一行は、前の自動販売機で2本目のペットボトルを買い
再び、猛暑の飛鳥に踏み出したのでございました。



←前に戻る  次に続く→
飛鳥トップへ


万葉文化館について詳しくは

さまのサイトをご覧下さい!


古代史紀行トップへ

ホームへ